DOOS連載 2006年8月号

 新潟県内で発行されているフリーペーパー「DOOS」でおすすめ本の連載を開始して今月で丸8年経ちました。紹介した本も80冊を超えました。現在も連載継続中ではありますが、HPリニューアルを機会に毎月つたない文章を載せてくださっている発行会社の皆様とDOOS読者への感謝の気持ちを込め、連載開始当初から順にアップしていこうと考えました。今ではほとんど聞かなくなった作家を絶賛していたり、あっという間に廃れていった流行本をまじめに読んでいたり、読み返すと赤面するばかりです。あるひとりの本好きの読書遍歴だと思ってお付き合いいただければ幸いです。

 

新潟はアルビサポーターで証明したように郷土愛が強い県民だと思います。サッカーのようなスポーツの世界だけではなく、書店における活字の世界でも、新潟出身の作家の本は特に売れています。これも新潟県民の地元を応援する精神のあらわれではないかと感じます。
 新潟出身で活躍する作家を紹介しますと、芥川賞作家の新井満さん、藤沢周さん。文芸評論家の斉藤美奈子さん。歴史小説家の火坂雅志さん。エッセイスト関川夏央さんなど他多数。そして今月紹介する本の著者の野島伸司さんも実は新潟出身。「101回目のプロポーズ」「ひとつ屋根の下」「高校教師」「未成年」「プライド」などの連ドラブームを巻き起こした人気ドラマ脚本家。そんな野島さんが書いた新刊が「スコットランドヤード・ゲーム」(小学館 1470円)です。
 ドラマ作りを本業とする脚本家が小説を書くことは珍しいことではなく、今は亡き野沢尚さんをはじめ、大石静さんなど多くの脚本家が文学という領域でも活躍しています。もともとドラマ向けで作られた作品がその後、ノベライズとなって出版されることはよくあることで、大きく枠組すれば、脚本家も作家も、映像か文字かの違いだけで物語の作り手としては同じであると言えます。
 今、書店の文芸書は「セカチュー」「いま会い」の純愛路線と「東京タワー」「佐賀のがばいあちゃん」の家族路線でそれぞれロングヒットが生まれています。この野島作品は若干下降してきている純愛路線に再び火をつけてくれそうな注目の作品です。
 主人公の僕(樽人)は、深夜のマンガ喫茶で出会った女性(杏)に恋をします。しかし彼女は、事故で亡くした恋人を忘れることができません。不幸にも恋人と死別した際、その人を想い続けることが愛なのか、それとも新しい恋へと踏み出すべきなか。野島ドラマでいうなら「星の金貨」のような優しい愛か、それとも「世紀末の詩」のような厳しい愛か。対極にある愛の選択に明確な答えを示しています。実家のケーキ屋で働き始めた不思議な青年(夏彦)をも巻き込み、タイトルにある同名のボードゲームのルールに合わせて24日間の期限付きで恋のゲームが進んでいく。果たして僕は彼女の心を捕らえることができるのか。ドラマ化が待ち遠しい1冊です。
 勝手に配役してしまうならば、石井樽人・・・妻夫木聡、久喜夏彦・・・藤原竜也、須永杏・・・蒼井優
で月9で主題歌はミスチル。視聴率は15%。どうでしょう。

後日談・・・まだ入手できる作品です。「セカチュー」「いま会い」「東京タワー」とこの頃文芸書はヒットミリオンセラー連発でした。
32185897[1]

スコットランドヤードゲーム 野島伸司著 小学館文庫

 


トラックバック

このブログ記事に対するトラックバックURL:

コメント & トラックバック

コメントはまだありません。

コメントする



株式会社 萬松堂
〒951-8063
新潟県新潟市中央区古町通
6番町958番地
TEL:025-229-2221(代表)
FAX:025-229-4331
事業内容
●雑誌・書籍の卸売・小売
●バーゲンブック事業
●教科書・教材の販売

リンク

◆ブッククラブおはなしちょうだい
ブッククラブおはなしちょうだい
◆文部科学省ホームページ
文部科学省ホームページ
教科書目録が開きます
◆知的書評合戦ビブリオバトル
知的書評合戦ビブリオバトル公式ウェブサイト
◆新潟ビブリオバトル部
新潟ビブリオバトル部
◆オンライン書店e-hon
オンライン書店e-hon 萬松堂で受取れば送料無料

訪問者数

トータル:34469
本日:20
トータルページビュー:175
オンライン中:0
カウント開始:2014年10月29日