地方消滅 東京一極集中が招く人口急減

この衝撃的な書名、そして帯にある896自治体に区分された日本地図の消滅ハザードマップ。まずは自分の住む自治体が存続できるのか確認せずにはいられなくなる。さらにこの地図の警告赤印が示す箇所が日本地図の実に3分の1以上もあることに驚く。本書は出生率の低下、人口減による、日本の将来の統計的な推移を示すのだが、特徴的なのが若年女性の人口の予測から算出していること。そもそも人口将来統計は、経済や政治の統計に比べて格段に数値が的確だという。そしてこのままの出生率では日本の人口が2100年には明治維新期の水準で約4千900万人になると導き出されている。
今、高齢者が増えているといわれるけど、その高齢者もやがて減り、若者は都会に出るというのは今も変わらず、むしろさらに加速する。都市部への人口集中と、若年女性の人口減少。この問題は大変に深刻な状況に向かっている。にもかかわらず、政府の対策やビジョンが見えてこないのが現状である。
きわめつけが巻末の市区町村別の将来推計人口の予測値である。あまりにマイナス値が高い市町村に住んでいる人々が将来を悲観して地方を捨ててしまう危険も否定できない。
あの里山資本主義の藻谷さんも、そもそも人口の変動からデフレの実体を書いた「デフレの正体」(角川ワンテーマ21)で名声を世に知らしめた人で、本書の増田さんもアプローチは同じであり、地方創生と叫ばれているが、理想とはまったく逆で人口減から地方は消滅へと進んでいる。失われた20年で実は最も国に大きな損失をもたらすことはこの問題への対応遅れではないのか。
33138400[1]
地方消滅  中公新書 中央公論新社


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地方消滅

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