DOOS連載2007年9月号

小説好きは映画好き。小説と映画は切っても切り離せないと思います。その象徴ともいえる小説を読みました。金城一紀の最新刊「映画編」(集英社)です。
『太陽がいっぱい』『ドラゴン怒りの鉄拳』『恋のためらい/フランキーとジョニー もしくはトゥルーロマンス』『ペイルライダー』『愛の泉』という古今東西の映画をモチーフにした5つからなる中篇の小説集です。金城一紀は直木賞受賞作「GO」をはじめ、ゾンビシリーズなどこれまで多くの傑作を生み出してきました。映画についても造詣が深く、映画監督兼作家の青山真治や中原昌也、芥川作家の阿部和重と並び、映画好きの若手作家の1人です。映画を観て育ったストリーテラー作家による小説は映画以上に、あなたを物語の世界に引き込むことでしょう。特にこの作品にはタイトルの映画のほかに『がんばれベアーズ』『大脱走』『ローマの休日』など95作品を超える映画が登場します。初めて映画館で見た映画。恋人といった思い出の映画。涙がこぼれた感動の映画。映画を観て共感し、語り合ったあの頃の、それぞれの映画に対する強い思い入れがあるように、この5編は小説という形で物語を奏でながら、哀しくも力強い友情物語になり、純粋で無垢な恋愛小説になり、コミカルなハードボイルドになっています。映画によって出会い繋がった人々の絆を描く、まるで劇場で映画を観たかのような、興奮と感動を味わうことができます。
1本の映画や1冊の小説が日常の中に小さな変化をもたらしてくれることだって、人生を大きく変えてくれることだってあります。物語が、実は人生にとってかけがえのないとても大切なものを教えてくれます。そんな映画と小説にこれからも出会いたいと思える、やさしくさわやかなで今すぐ映画が観たくなる金城一紀最高傑作。私も読後、「ドラゴン怒りの鉄拳」を押入れから引っ張り出しました。

映画編 新潮文庫


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